PIVOTのスロットルコントローラー(スロコン)3-drive・ACを取り付けたので、セッティングをいろいろと試しています。
もともとはオートクルーズが目的で装着したものですが、スロコン機能も充実しているので、今では活用しています。
パワーが小さい軽自動車(NAエンジン)への装着は、思った以上に効果がありました。
スロットルとは
最初にスロットルについて少し。
ガソリンエンジンは、取り込んだ空気に必要なガソリンを噴射して混ぜた「混合気」を、圧縮して、爆発した力を動力に変えてクルマを動かします。
この取り込む空気量を調整するものが「スロットル」で、調整弁のことを「スロットルバルブ」と言います。
※スロットル(throttle)とは「抑える、抑制する」という意味があります。
中央にあるのがスロットルバルブで、閉じている状態は垂直になっています。このスロットルバルブの開き具合で空気の流入量を調整します。
スロットルを制御する方法には「ワイヤー式」と「電子式」があります。
ワイヤー式
スロットルとアクセルがワイヤーでつながっていて、アクセルを踏むとワイヤーがスロットルバルブを機械的に開閉します。そのため、アクセルの動きの通りに作動します。
キャブレターの時代から使われている方式ですが、最近は電子式に移行しているため採用は減りつつあります。
電子式(ドライブ・バイ・ワイヤ:DBW)
アクセルにあるセンサーが、踏み込み量を電気信号に変換してECU(エンジンコントロールユニット)に送り、信号を受けたECUがモーターでスロットルバルブを開閉します。
DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)とは、もともとFBW(フライ・バイ・ワイヤ)という名称で高度な信頼性を必要とする航空機技術として開発されました。(この場合の「ワイヤ」は電気的配線を意味します)
ホンダでは1995年にNSXがDBWを初採用しています。
NSXはエンジンを後方に置くミッドシップレイアウトのため、従来のスチール製ワイヤーだとアクセルからエンジンまでの長さは数mにもなります。そのためDBWの採用はメリットが大きかったわけです。
その後、DBWは2002年のアコード(CL7~9)に採用され、現在では軽自動車にまで拡大されています。
スロットルコントローラー(スロコン)とは
前述のように、電子式はアクセルの踏み込み量を電気信号に変えて、ECUに送る仕組み利用しています。
スロットルコントローラーは、この信号を変化させてECUに信号を送り、スロットルバルブの動きを調整する電子パーツです。
電子式は従来のワイヤー式に比べると、部品点数の削減やECUによる緻密な制御が可能となる反面、スロットル開閉をECUが制御するため、省燃費などでドライバーのアクセルワークが、そのままスロットルの開度につながっていない場合があります。
こうしたドライバーの意思とのズレはレスポンスに現れ「発進がもたつく」、「加速が悪い」、「クルマが遅く感じる」といったストレスにつながります。
スロコンによる変化は体感レベル
スロコンで設定をすると、体感できるレベルでレスポンスが変化します。
設定は、ECO・NORMAL・SPORTSの3モードがあり、さらにECOモードでは1~5段階、SPORTSでは1~7段階の詳細設定ができます。
ECOモードでは通常よりもスロットルが閉じられた状態となり省燃費に、SPORTSモード
では通常よりも開かれた状態となり、アクセルのレスポンスが良くなります。
使ってみた中では、SPORTSモードの「3~4」あたりが良さそうです。SPORTSモードを「7」にすると加速は鋭くなりますが、燃費は10%ほど落ちます。
N-WGN(NA)に装着した感覚は、ノーマル < スロコン装着 < ターボ
といったところです。
さらに、ECONスイッチOFF(アイドリングストップキャンセル)と併用すれば、遅いという感覚は、ほぼ解消されます。
燃費は、SPORTS「3」で1.0km/L前後落ちますが、思ったよりも落ち込みは少ないですし、走り方でも変化します。
多少の落ち込みは、レスポンスアップとの引き換えなら許容範囲でしょう。
各モードの燃料消費率はPIVOTホームページのQ&Aにあります。
取付後はチェックランプの点灯やエンジン不調といったトラブルは出ていません。
動作も安定しています。
まとめ
スロットルコントローラーはエンジンのパワーアップをするものでありませんが、セッティングによる効果はハッキリと体感できます。
特にパワーの小さい小型車や軽自動車(NAエンジン)ではスロコンによる効果は大きいです。
発進や加速の悪さ、アクセルレスポンス改善には費用対効果が高い製品なので、気になるようであれば導入する価値はあります。