カーオーディオやナビゲーションにはイコライザー機能を内蔵しているものがあります。
このイコライザー機能を活用すれば、より良い状態で音楽を楽しむことができますが、何処をどのように調整すれば良いか?悩んでしまいます。
しかし、スマートフォンとアプリ、調整用音源を使うと比較的簡単にイコライザー調整をすることができます。
イコライザーとは
イコライザーとは、周波数帯域別にレベルを調整してコントロールする機能です。
あらかじめメーカーによって設定された、プリセット・イコライザー(ホップスやジャズといったもの)とユーザーが自由に設定できるカスタム・イコライザーがあります。
調整可能な周波数帯域はモデルによって異なります。
5バンド程度の簡易的なものから、DIATONE SOUND.NAVIのように、31バンドと本格的なものまで多彩です。
また、イコライザーには車内の音響特性を整える側面もあります。
ダッシュボードやガラス、シートなど異なる材質が密集しているため、反射や吸収などで周波数特性が乱れてしまいます。
こうした周波数の乱れをイコライザーを使って整えてあげると、より聴きやすくなります。
イコライザー調整に必要なもの
スペクトラムアナライザ
車内の周波数特性を測定するには、スペクトラムアナライザ(略してスペアナ)を使います。
横軸に周波数、縦軸に音圧レベル(dB)が表示されます。
特に専用機器を用意しなくてもアプリで代用できます。
音響用測定器メーカーのエタニ電機がリリースしているiPhone用アプリ「ETANI RTA mini」が便利です。(フリー版でも十分使えます)
このアプリ、非常に優れものでiPhoneの内蔵マイクを使ってチェックすると、かなり正確に周波数を測定してくれます。
200Hzの音を再生してみると…このように。
20kHzの場合。
私には聞こえませんが、子供たちには聞こえる音。
iPhoneでも測定されています。
測定用音源
測定にはピンクノイズ(ザーッというやつです)を使います。
アプリやYoutubeの動画を使っても良いですが、iPhone1台で測定と再生の両方はできないので、「サウンドチューニングMaster」に付属している調整用CDを使用します。
このCDには各周波数信号やピンクノイズなど、調整に役立つ信号が豊富に収録されています。著者:石田氏の解説も非常に分かりやすいので、持っていると便利な一冊です。
専門用語の解説や調整方法など、チューニングに役立つ内容が詳しく記載。
付属の調整用CDには下記の信号が収録されています。
・スピーカー接続チェック
・位相チェック
・ビビリ(共振)チェック
・サブウーファー前方定位、奥行き感チェック
・タイムディレイ調整チェック
・イコライザー調整用信号(31バンド対応)
・スィープトーン、ピンクノイズ
実際に調整してみる
調整してみるのは、ステップワゴンに装着しているホンダ純正ナビ(Ghaters)のVXM-145Cで、7バンドのイコライザー調整が可能です。(スピーカーは標準装着品:6スピーカー)
イコライザーをフラットな状態にして、調整用CDのピンクノイズを再生します。
アプリを立上げて耳の周辺で測定します。
調整前の状態。
各周波数が凸凹しています。これがフラットになるようにイコライザーを上下させながら、調整・測定を繰り返していきます。
調整後の状態。
7バンドなので微調整が難しいですが、概ねフラットな状態になりました。
この時のイコライザーの状態。
フラットにしたら、後は好みに応じて微調整。
高音は十分なので、少し弱い低音を上げてみました。
まとめ
純正スピーカーの状態ですが、調整後は聴きやすい状態に。
ステップワゴンはデッドニングを全くしていない状態ですが、こもり気味の音がハッキリと聞こえるようになり、変化の違いが体感できます。
カーオーディオにイコライザー調整機能が内蔵されていれば、これを調整してみるだけでも普段聞いている音楽をより良く聞くことができます。
こうした調整もカーオーディオの楽しみ方の一つですね