3Mの「ヘッドライト・レストアキット」で補修をして1年ほど経過しましたが、コーティングが劣化して黄ばみが目立ってきたので再補修をしました。
今回はより耐久性が高いウレタンクリア塗装を行います。
ヘッドライト・リフォーマー・スプレー
ほとんどのヘッドライトはポリカーボネート製の樹脂レンズです。
レンズ表面に2液タイプのウレタンクリアで強固な塗膜を形成することで透明度が長期間維持されます。
ポリカーボネートに一般的なウレタンクリアで塗装をすると、強い溶剤がポリカーボネート素材を侵食してソルベント(溶剤)クラックを発生させてしまうので注意が必要です。
そうしたトラブルを避けるため、ヘッドライト専用に開発されたコーティングスプレーを使用するのが安全です。
ウレタンクリア塗装のおおまかな作業手順です。
下地処理 → 塗装 → 乾燥(完全硬化)→ 研磨(仕上げ)
同梱の説明書に沿って作業をしていきます。
みがき作業(下地処理)
ヘッドライト装着状態ですと、作業性や塗料の飛散防止(養生)が大変なので取り外して行うのが良いです。
同梱の説明書です。
ヘッドライト裏のコネクタをマスキングテープで防水処理します。
下地処理ではヘッドライトに残っている古いコーティングを耐水ペーパーで落とします。
私は、#600→#800→#1000→#1500→#2000→#3000と表面を研磨していきました。
(#600以下はみがきキズが深くなるので未使用)
#3000での研磨が終わった状態でもくすみは残ります。
確認方法として水をかけた直後に透明度が出ていれば大丈夫です。
ウレタンクリア塗装
下地処理後、表面を洗浄・乾燥させたらマスキングをして塗装をします。
2液タイプなので使用前に下部の金属ピンを押し込み溶剤を混合させ、逆さにして10分以上放置します。
最初の2~3回は塗料を乗せるイメージで、少し離し気味にサッと軽く吹き付けるように平行移動しながらスプレーします。(塗装の間隔は15分程度)
こんな感じで塗料を乗せます。
塗料を乗せ終えたら、最初よりもやや近づけて同じように平行移動しながらシッカリと塗るイメージでスプレーします。
一度に厚塗りしすぎると垂れてきますので、必ず数回に分けて塗ります。
塗装後には十分な透明度が出ます。
乾燥~研磨(仕上げ)
塗装後、1日乾燥させれば触っても大丈夫なので車体に戻すことができます。
72時間後の完全硬化を待って仕上げをします。
塗装のみでも透明度は十分に出ていますが、じっくり見ると表面には塗装ムラ・ホコリ嚙み込み・ゆず肌の部分があります。
これを研磨でキレイに仕上げます。
#2000→#3000で表面のざらつきを整えます。(力を入れすぎず、削りすぎに注意します)
コンパウンド仕上げには、粒子が1ミクロン・0.5ミクロンの2種類を使用しました。
1ミクロンはソフト99の液体コンパウンド。(手持ち品)
0.5μはウィルソンの液体コンパウンド。(専用スポンジと一緒に購入)
ホルツの専用スポンジは色分けされているので、使用するコンパウンドに合わせて分けられます。
専用スポンジを使用すると力が入れやすくムラなく研磨作業ができます。
ウレタンクリア塗装の完成
コンパウンドでの研磨を終えた状態ですが、新品に近い状態の透明度になりました。
ウレタン塗装は初めてでしたが想像以上の仕上がりです。
特に黄ばみが進行していたウインカー部も透明になりました。
まとめ
ウレタン塗装は手間が掛かかりますが、簡易的な黄ばみ落としよりも確実でキレイに仕上がります。
塗料はヘッドライト専用品だけあり、クラックは一切発生しませんでした。
今回の施工ではスプレー1本でヘッドライトとフォグライトが塗装できましたでの、乗用車であれば1本で足ります。
DIY難易度としては高めですが、塗装経験があれば大丈夫かと思います。
施工のコツは…
①下地処理はとにかく丁寧に(仕上がりに影響します)
②塗装は仕上がりを急がず落ち着いて行う
※1年経過後の状況です。