ワットモニターを使って家電の消費電力を計測

家電

最近の家電は省エネ性能が非常に向上していますが、実際にどのくらい省エネになっているのでしょう。また、家庭の消費電力を抑えるためにはどの家電から対策をすれば良いのでしょうか。

カタログのスペックを見れば省エネ性能を確認することも可能ですが、実際の消費電力を測定できるワットモニターを使って調べてみました。

 

家庭における消費電力の割合

はじめに、家庭における消費電力で割合が大きいのはどのようなものがあるのでしょうか。

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出典:温室効果ガスインベントリオフィス
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト
jccca.org/より

 

グラフを見ると冷蔵庫やテレビ・照明機器など日常的に使用するものが上位に来ています。単体で消費電力の大きいエアコンなどの空調機器は季節変動に左右されますので思ったよりも割合が小さいです。

節電対策はこうした消費電力の大きいものから行っていくのが効果的と言えます。

 

ワットモニターで消費電力を可視化

電気は見えませんが測定して数値化することにより消費電力を知ることができます。

測定に使用したのは、サンワサプライのワットモニター「TAP-TST8」です。

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本体を計測したい機器とコンセントの間に挿すだけで消費電力・電気料金・CO2換算を計測してくれます。計測結果は前面のLCDパネルにリアルタイム表示されます。

電源スイッチは無く、コンセントに挿し込むと測定を自動で開始します。

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側面のコンセントを壁側に挿し、計測したい機器を下のソケットに挿し込みます。

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テレビの消費電力を計測

リビングで使用しているテレビを計測してみました。

現在使用しているのはPanasonicのTH-L50E60(50インチ)です。LED-VAパネル採用の2013年モデルでカタログの消費電力は90Wと記載されています。

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Panasonic TH-L50E60

 

2015年モデルで類似機種を探してみると、TH-50C300が同じVA-LEDパネル採用で消費電力は97Wと、ほぼ同スペックとなります。

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Panasonic TH-50C300

 

映像メニューをスタンダードの状態にして計測すると約60Wの消費電力でした。メーカーとの計測方法に違いはありますが、カタログ値の90Wと比較すると30%以上も低い値です。

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例えば、1kWhを22円として1日6時間の視聴で計算をしてみると…

1日あたり約8円、1ヶ月あたり約250円、12ヶ月で約3,000円となります。

普通に使うだけでもカタログ値よりも随分と省エネであることが分かります。

 

更に消費電力を下げる方法として、リモコンにある節電視聴ボタンを押すと視聴に差し支えない範囲で消費電力を最大25%、35%、65%と3段階に下げられます。(65%カットはバックライトがオフで音声のみとなるので実際は2段階)

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この節電視聴設定で消費電力を計測すると

・25%削減設定で約50W(10%ダウン)

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・35%削減設定で約41W(32%ダウン)

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節電視聴機能は最大での削減量となりますが効果は高いです。設定なしと25%削減で比較すると明るさにほとんど差は感じられませんが、消費電力は10%も下がります。

この場合の消費電力は…

1日あたり約6円、1ヶ月あたり約190円、12ヶ月で約2,300円となります。

35%削減でも暗くはなりますが視聴可能な明るさは保ってくれます。

 

ちなみに、設定からバックライトを一番低くした状態にすると約30Wまで下がります。しかし、かなり暗くなるため実用性は低くなりますが、カタログの1/3まで消費電力を下げられます。

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また、2010年モデルのプラズマテレビをカタログ値で計算してみると(1kWh=22円・1日6時間視聴)

 

TH-P50G2(50インチプラズマテレビ)…398W(約1,630円/月、約19,560円/年)

 

液晶テレビは蛍光管からLED式に変更されてからは消費電力が低くなりました。プラズマテレビから液晶テレビへの変更は大幅な消費電力削減につながります。

ここ数年の液晶テレビであれば消費電力に大きな差は無いので、購入の際は型落ちモデルを選ぶのもよさそうです。

 

冷蔵庫の消費電力を計測

冷蔵庫は2014年に新しくしました。以前は2003年製を使用していましたので11年前の機種との比較ですが、性能の差がとても大きく出ました。

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2003年製のNational冷蔵庫

 

2014年4月に古い冷蔵庫を計測した際は、常時120W~40Wの間で推移をしており1日の電気料金は約40円でした。

季節による変動はありますが、単純計算で1ヶ月あたり約1,200円、12ヶ月では約14,500円にもなります。

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1年後の2015年4月に新しい冷蔵庫で測定してみると、1日あたり19円と半分になっていました。

1ヶ月で約590円、12ヶ月では約7,000円と従来の半分まで下がりました。

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古い冷蔵庫は常時コンプレッサーが作動していましたが、新しい冷蔵庫はコンプレッサーが頻繁に停止して消費電力を抑えています。

あわせて高い断熱性能やエコナビによる生活リズムに合わせた最適運転を行うことで低消費電力化がされています。

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コンプレッサー停止時は
6W前後まで消費電力が下がります

 

シーリングライトを計測

リビングのシーリングライトは2013年にLEDタイプに変更をしました。

カタログスペックでは明るさが5,000ルーメン・全灯時が61Wとなっています。

多段調光式で明るさを100%⇔70%⇔50%⇔30%⇔10%と変えられます。

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NECライティング LIFELED’S HLDZD-1220

 

天井にある状態ではワットモニターが取り付けできないので、取り外して直接コンセントに挿して計測をしました。

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全灯時は約62Wでしたので、ほぼカタログ通りの数値です。

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調光機能を使った場合の消費電力は…

 

100%…約62W

70%…約34W

50%…約20W

30%…約12W

10%…約5W

 

特に全灯以外は明るさの割合以上に消費電力が低くなりました。明るさに余裕があれば全灯より下げて使用するほうがより省エネになります。

 

古い蛍光灯タイプのシーリングライトも計測してみました。

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2004年のNational製シーリングライト

 

消費電力は78Wです。

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34Wと27Wの蛍光管が取り付けられています。

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2段階調光機能がありますが、全灯時で約99W、省エネ灯で約68Wと実際の消費電力のほうが高い結果となりました。

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1日8時間使用した場合、全灯同士で電気料金を比べるとLEDは約11円/日、蛍光灯は約18円/日と1日あたり約7円の差になります。

1ヶ月では約217円、12ヶ月では約2,604円の節約が可能となります。リビングなどの長時間使用をする照明はLEDに変えると省エネ効果が高いです。

 

その他にも計測

上記以外の物も計測してみました。

 

炊飯器

保温時は50W前後とテレビ並に消費をしていました。不必要な長時間保温は避けたほうが良いです。

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2012年製のPanasonic炊飯器

 

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保温時の消費電力は結構高いです

 

ノートパソコン

画面の明るさとCPUの負荷率で消費電力が変わります。

ディスプレイの照度を最大にすると約14Wで最小にすると約10Wでした。充電しながらの使用ですと時消費電力は+14Wされて26W前後となります。またCPUの負荷率が高くなるとさらに約4~8W上昇しました。

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NEC VersaProタイプVB(12.1インチ)

 

充電時は約14W消費していました。ACアダプタ接続時、電源OFFで(充電していない状態)約0.5Wでした。

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充電時は約14Wでした

 

使用時は画面を明るくしすぎず、軽作業中心であれば省エネ性能の高いCPUを選ぶとよいです。

 

まとめ

実際に測定してみるとカタログ数値よりも異なる場合が多いことに気付きます。節電をするには現状を知り、消費電力の大きいものから対策をすることがポイントです。

昔は待機電力が大きく、こまめにコンセントを抜くことが推奨されていましたが、最近の家電は待機電力1W以下やゼロの機種が多く、家電全体の消費電力で考えるほうがより効果的です。

 

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