ダッシュボードに直射日光が当たると、フロントガラスへの映り込みが酷いです。
フロントガラスが傾斜して面積の狭いS660は特に気になります。
視界確保と保護を兼ねてダッシュボードマットを敷くことに。
ダッシュボードマットの製作(型紙~試作)
ダッシュボードマットは車種別で販売されていますが、S660は販売が無いので自作することに。
使用する生地ですが、調べてみるとスエード系の生地が防眩効果・質感共に高いとのこと。
試しに家にあったPUレザーを置いてみたところ、見た目は良いですが防眩効果が低いのでスエード系の生地で製作することにしました。
最初に型紙を製作します。
型紙は設置時のフィット感を左右するため念入りに製作する必要があります。
奥のデフロスター部は狭く型取りが難しいですが、鉛筆の芯を寝かせて凸部で何とかラインを取りました。
製作した型紙の出来栄えを確認するため、家にあった生地を使って試作品を製作することに。
S660の場合は横1300mm×縦600mmで足りました。
裁断面をバイアステープで縫って完成。
寸法は概ね良好だったので、型紙を微調整して本製作に入ります。
キルティング生地も悪くはありませんが、格子模様が映り込むので防眩効果としてはイマイチでした。
エアコンアウトレットや照度センサーの位置も良さそうです。
ダッシュボードマットの製作(本製作)
本製作ではスエード生地を使用します。
自動車用のスエード生地と言えば、東レが開発した「ウルトラスエード(旧:エクセーヌ)」です。(名称では「アルカンターラ」の方が一般的ですが)
自動車用途のウルトラスエードは高耐久・難燃素材の「RX」や「UX」がアフターマーケット用として販売されていますが、非常に高価(万円/m)であるため、同ブランドで他用途向けの安価なもの(アウトレット)にしました。
700円/mの手芸用スエード調生地も購入しましたが比較すると違いは明らかで、特に表面の滑らかさが桁違いです。
ウルトラスエードは「フィンガーマーク」と呼ばれる、指でなぞると跡が付くほどの上質な毛並みです。
スエード生地は薄いのでダッシュボードに置くには、ある程度の厚みを持たせる必要があります。(100均のフェルトをつなげて使用)
フェルトを型取りしたら生地を裏返して接着しますが、液状の接着剤は十分に伸ばさないと表面に接着跡が浮き出てしまう(一度、失敗しました)ので、スプレーのりを使用するのが良いです。
3Mのスプレーのりであれば100ml缶で足ります。
裁断面の処理はバイアステープだと手間がかかるため、折り返してスティックのりで接着。
布専用スティックのり(コニシボンドの「裁縫上手」)もありますが、家にあった一般スティックのりでも用途に「布」の表示があったので、これを代用しました。
フェルト側にのりをスプレーしますが、分割しながら作業をしていくと接着ミス(シワ)が防げます。
他の部分にのりが付かないように養生することと、制作後の向きを間違えないように注意が必要です。
接着が終わったら、折り返し部分を残して裁断します。
折り返し部分なので裁断ハサミでも良いですが、細い部分はロータリーカッターが楽です。
折り返しはスティックのりを両面に付けて接着していきます。
R部分は切り込みを入れながら。
くり抜き部分は対角線上に切り込みを入れて折り返し。
こんな感じです。
完成です。
デフロスター部は実車だと繋がっていますが、マットでは浮き防止のため中央から左右で分割しました。
ダッシュボードに設置
完成したダッシュボードマットを敷きます。
スエード調生地を使用しましたが、思ったほど見た目は悪くありません。
ソフトパッドに合わせてステッチを入れても良さそうです。
ズレ防止では両面テープやマジックテープ(面ファスナー)を部分的に使えば十分です。
フェルトを使用することで適度な厚みが生まれるのでシワが防げますし、柔らかさもあるのでダッシュボードの凹凸もキレイに出ます。
以前に取り付けたステアリングカバー用ステッチ糸が余っていたので、ステッチを縫ってアクセントを付けてみました。
※糸単品での購入も可能です。
助手席のソフトパッドと合わせてみました。
ブラックステッチの方が落ち着いた感じです。
まとめ
ダッシュボードマット設置後は映り込みが激減しましたので、防眩効果は非常に高いです。
見た目の質感も元の樹脂に比べて格段に良くなりました。
最初なのでスエード調生地で製作してみましたが、今後はウルトラスエードでも製作予定です。
ダッシュボード上は高温や・紫外線による褪色など過酷な環境のため劣化が早いです。マット形状なら型紙を使えば複製が容易です。