オーディオやナビなどの電装品の取り付けでは、クルマの内装(内張り)を外しての作業が必須となります。
DIYの基本となる内張りの外し方についてまとめてみました。
必要な工具など
クルマの内張りを外すのに使用する基本的な工具です。
内張りはずし
先端を隙間に入れて内張りを浮かせるための工具で、DIYでは必須の工具です。
材質は金属製と樹脂製がありますが、内装類はキズが付きやすいので樹脂製がおすすめです。
カークリップはずし
樹脂クリップを外すための工具です。
この「カークリップはずし」を使用するのは主にバンパーやグリルなどですが、内装にも使用されている場合もあります。
先端はクリップのロック機能を解除するための形状となっています。
マイナスドライバーでも代用は可能ですが、作業性が悪く破損しやすいので専用工具を使用する方が安全です。
中央のロックを破損させずにクリップを外すことができます。
ドライバー
奥に落としてしまうと取り出すのが困難なこともあるので、先端が磁石になっているものが良いです。
狭い場所での作業もあるので、短いものやラチェットタイプなどを複数用意しておきます。
ソケットトレンチ
ボルト類を外すのに必要な工具です。
奥まった位置にあるボルトを回す場合もあるので、ソケット位置を延長するエクステンションバーも必須です。
ソケットは8㎜~19㎜までを揃えておけば、内張りのほとんどに対応できます。
養生テープ
内張りを外す際にキズがつかないように貼るテープです。
手で簡単にちぎれる作業性の良さと、剥がしても糊が付かない適度な粘着力が便利です。
内張りの固定方法
クルマの内張りは、ほとんどが下記のもので固定されていますが、形状によっては外し方にコツが必要な部品もあります。
クリップ
内装のほとんどがツメと樹脂製のクリップで固定されていますが、カーメーカー毎の互換性は少なく、種類・サイズも多いです。
穴に嵌め込むものから中央のピンでクリップ先端を広げて固定するものなど、多岐にわたります。
破損しやすいですが、特殊形状でなければディーラー以外にもカー用品店やネットで購入することができます。
ツメ
内張りと一体型になっていますが、場所によっては折れやすいので注意が必要です。
下の写真の部品の場合はシートレールのカバーですが、上側のツメ付近を左右に少し広げながら引っ張って外します。
ツメにクリップが付いている場合もあります。
内張りはずしが入らないような場合は、テープで固定して引っ張ると外せます。
スクリュー・ボルト
フレームへ強力に固定する必要がある部品には、スクリューやボルトが使用されています。
オーディオパネルに固定するブラケットにもスクリューが使用されています。
ドアの開閉で力が加わるグリップ部分にも使用されています。
カプラー
電装品やスイッチと配線を接続するためのもので、複数の端子(ターミナル)の集合体となっています。
カプラーはツメで固定されているので、ツメを押しながら引き抜きます。
実際に内張りを外してみる
実際にN-BOXの内装を外して電装品を取り付けてみます。
ドアスピーカー
ドアミラーの付け根のカバーを外します。
この部品はクリップとツメで固定されていますが、ツメが細く割れやすいです。
この場合はツメのある方を外側に少し広げるようにしてツメを外してから手前に引っ張ります。
ドアインサイドハンドルとドアグリップのスクリューを外します。
このクルマはスクリューが見えていますが、メクラで隠している場合もあります。
隙間に内装はずしを差し込み、テコの要領で少し浮かせます。
浮かせた隙間に手を入れて引っ張るとクリップが外れるので、外周に沿って外していきます。
クリップ(緑色)は外周に沿って取り付けられています。
内張りをドアパネルから外したら、パワーウインドウやドアミラーのスイッチに接続されているカプラーを外します。
カプラー中央のツメを押しながら引き抜きます。
内張りが外れましたので、スピーカーを交換することができます。
ナビゲーション
ショートを防止するため、作業前にバッテリーのマイナス端子を外しておきます。
キズが付かないようにパネルの合わせ目に養生テープを貼ります。
ツメのみで固定されている部品は引っ張って外していきます。
部品によっては内装外しを入れるための「切り欠け」があります。
浮かせた隙間から外していきます。
メーターやオーディオはグラつかないようにスクリューで固定されています。
順番に外していくとこのようになりますので、取り付けに必要な配線処理をしていきます。
内張りを外す際のコツとして、スマホで部品や位置の写真を撮りながら進めていくと、戻す際の確認で役立ちます。
車種毎の外し方については、ユーザーがネットにアップされているものを参考にしたり、ディーラーで聞いたりして事前確認をしておくのが良いです。
仮り組みの状態で動作確認をして、問題がなければ全てを戻していきます。
内張りを戻す際は、外した部品に余りが出ていないかを確認します。
また、カプラーの付け忘れ防止のため、スイッチ類が正常に作動することも確認しておきます。
まとめ
最初は難しいと感じるかもしれませんが、簡単な場所から始めて徐々に慣れていくことが大切です。
もし破損させてしまったりキズが付いてしまったような場合でも、保守部品としてディーラーで購入することができます。
慣れるためには多少の出費が必要となるかもしれませんが、経験を重ねることが上達への一歩となります。